第14話「魔法で相撲だハッケヨイ!」(1977年3月14日)

最初に断っておくと、この14話、脚本的にあまり面白い話ではない。
脚本は初登板の鷺山京子氏なのだが、この人、あの第4話「一生一代の大ピンチ」で酷い脚本を書いた石森史郎氏のお弟子さんなのだ。キャラやアイテムといった基本設定の勝手な改変が興醒めであるし、ストーリー的な粗も目立つ。どうも師匠の悪い点まで受け継いでしまっているようである。

一方、子供たちの演技は相変わらず上手で、所々で目を引くユニークな演出もあるだけに、脚本の不出来が非常に惜しいという印象を受けるエピソードでもある。

さて、前置きが長くなってしまったが本編である。

mahougumi1401
物語は5年1組のリョータと5年3組のガンモ(すのうち滋之)が校庭で相撲を取るところから始まる。

mahougumi1402
行司役の女子はガンモの勝ちを告げたが、それに意義を唱えるリョータ。
女の子に手を出しちゃいかんよ。

mahougumi1403
リョータが勝ったのかガンモが勝ったのかで、クラスを巻き込んでの騒ぎになる。

ガンモ「まあいいや、引き分けにしよう!」

と、大人の対応で丸く収めようとするが・・・

mahougumi1404
リョータ「ふん、負けたくせに!」

と言うものだから、また喧嘩が始まる。
この相撲の勝敗に対するリョータの異常なまでの情熱が本話のポイントでもある。

mahougumi1405
相撲の勝敗をめぐって一触触発というタイミングで「ビッグニュース!ビッグニュース!」と駆けてくるショースケ(神アコ)とミコ(尾崎ますみ)。

ショースケ「今度の相撲大会で代表に選ばれると、去年ミカン狩りに行った福浦小学校へ行けるのよ」
リョータ「え、本当か?」
ショースケ「僕は嘘なんかつきません!」

この辺りのやり取りがショースケらしくて面白い。

ミコ「福浦小学校は姉妹校でしょ。だからうちの代表が向こうの相撲大会に招待されるの」
リョータ「バンザーイ!バンザーイ!バンザーイ!」

飛び上がって喜ぶリョータ。

mahougumi1406
チクワ(江村和紀)「思い出すなあ。あの美味いミカン」
ハテナマン(増田康好)「うん!」
ガンモ「そして、美味い魚」
ショースケ「ガンモ、チャンスね!」
ハテナマン「頑張れよ!」

そう言ってガンモを応援する魔法組の面々。
一方、リョータも「頑張るぞー!」と気合を入れるのであった。

mahougumi1407
公園でトレーニング中のリョータは、たまたま通りかかった同級生の女子のブローチを寄越せと迫り、断られると蛇のおもちゃで驚かした上で執拗に追いかけ回す。

そして女子が逃げていった先にはガンモがいた。

ガンモ「どうしたんだい?」
女子「このブローチくれって言うの。やだって言ったら蛇で脅かすの」
リョータ「おい岩館、邪魔すんなよ。おい、ケイコ、これがイヤならプラモデルもあるぜ、ジェット機の」
ガンモ「おい、逃げろや」
女子「ありがとう!」

そう言ってリョータの行く手を遮って女子2名を逃がすガンモ。

ガンモ「おい、待てよ!弱い者いじめする奴は許せねえ!」
リョータ「なにい!」

そう言って取っ組み合いの喧嘩が始まる。
まさに由緒正しきガキ大将の鑑である。

mahougumi1408
最後はガンモがリョータを相撲の決め技で投げ飛ばしてガンモの勝利。
ここでタイトルコールとなる。

mahougumi1409
翌日、登校するとガンモの活躍は魔法組のみんなにも広まっていた。
弱い者いじめをするリョータから女子を救ったガンモを讃える魔法組の面々。
ガンモは、相撲大会を楽しみにして待っててくれとみんなに宣言する。

mahougumi1410

mahougumi1411

mahougumi1412
ところが、トレーニング中のガンモは(家業である)クリーニングの配達中のリョータに自転車で撥ねられ、ベルバラ(曽我町子)のいたずらもあって重傷を負ってしまう。

mahougumi1413
ガンモが相撲大会に出られなくなったことで、代役としてハテナマンを大会に送り出すことに決める。

mahougumi1414
さて、相撲大会当日。
身体も大きく気合い充分なリョータに対して・・・

mahougumi1415
見るからにひ弱そうで声もか細いハテナマン。

mahougumi1416
不安そうな面持ちの4人。

mahougumi1417
そこへ登場したベルバラは意地悪坊主なリョータに加勢しようと、魔法を使ってハテナマンとリョータの形勢を逆転させて応援する。

mahougumi1418
ベルバラの加勢に気付いたショースケはバンノーダーを使って形勢を逆転させて対抗する。

作品的にはこの魔法合戦が見どころの一つのはずなのであるが、そもそもバンノーダーは物を取り寄せる道具であって、立場を逆転させる機能ではないわけで、こういう基本設定を無視した魔法合戦を見せられても、今ひとつ盛り上がらないのが非常に残念な点である。

mahougumi1419
それでも、ベルバラとショースケという女2人に振り回されながら相撲を取る半裸の男2人(ハテナマンとリョータ)、そして魔法合戦に振り回される行司役のカンザブロー(園田裕久)という構図はなかなか面白い。

mahougumi1420
ベルバラとショースケの魔法合戦によって大混戦の決勝戦。
最後は「どうにでもなれ!」とヤケクソ気味に出した張り手が偶然にヒットしてハテナマンが勝利をおさめる。

mahougumi1421
勝負に負けた悔しさからその場を走り去る、哀愁漂うリョータの後ろ姿。

mahougumi4122
そんなリョータの様子にただならぬものを感じたガンモはリョータを追いかける。

mahougumi1423
リョータの家を訪れ、父親(相馬剛三)と話したガンモは、リョータに母親がいないこと、買いたい物があると言って始めた配達のアルバイトを今日になってやめてしまったことを知る。

mahougumi1424
ショースケ「そう・・・リョータ君も私と同じようにお母さんがいないのね」
ハテナマン「はてな、こりゃあ何かわけがありそうだな。よし、ここはガンモに任せよう!」

そう言ってMJバッグをガンモに渡すハテナマン。

ガンモ「ありがとう!みんな!」

ちなみにこのシーンではショースケが「僕」ではなく「私」と言っている。
こういう基本設定の勝手な改変が色々と惜しいのである。

mahougumi1425
CM後、部屋で何を使って様子を探ろうかと思案するガンモ。

mahougumi1426
そんなガンモにMJがアドバイスをする。

MJ「これこれこれ、0点ボーイ。まず相手の様子を探らなきゃ、何にもならないだろう」

mahougumi1427

mahougumi1428
アドバイスを受けたガンモはペンタゴンを使ってリョータの様子を探る。
ただ、石森史郎氏の脚本回でも書いたとおり、ペンタゴンは物の大きさを自由に変えることのできる道具であって透視アイテムではない。

エピソードの根幹に関わる重要な場面において、基本設定を勝手に改変してしまうのは興醒め以外の何者でもない。

mahougumi1429
ともあれ、リョータの様子を探ったことで、ミカン狩りに行った時に出会った福浦小学校の春野先生に会いたいがために代表に選ばれようとしていたのだということが判明する。

家業のクリーニング屋を手伝ってアルバイト代を貯めたり、冒頭で女子からブローチを巻き上げようとしたことも、春野先生に贈り物をしたかったということなんだろうと推測できる。

mahougumi1430
マジッカーを使い、神奈川県湯河原町の福浦小学校までやってきたガンモ。
そこで校医の春野先生(新海百合子)と出会い、リョータと春野先生との出会いを聞くことに。

mahougumi1431

mahougumi1432

mahougumi1433
去年の秋、東町小学校と福浦小学校が合同ミカン狩りを行なった際、福浦小学校の女子が東町小学校の生徒によってミカンの木の上に帽子を上げられてしまう。それをとってあげようとしたリョータが木から転落し、リョータは東町小学校の先生に叱責されてしまう。それを庇い立てしたのが春野先生だったというのである。
母のいないリョータは、春野先生に亡き母の面影を見出したようなのであった。

mahougumi1434
春野先生「リョータ君はね、お母さんのいない淋しさを、わざと乱暴したり、いたずらしたりして紛らわしてたのね。でも本当は、弱い者いじめしたりしない、心の優しい子なのよ」
ガンモ「そうだったのか・・・先生、どうもありがとう!」

mahougumi1435
先生にお礼を言ってマジッカーから手を振って別れるガンモ。

mahougumi1436
当然、春野先生はこんな顔になる(笑)

mahougumi1437
リョータの事情を共有した魔法組は、ハテナマンが代表を降りてリョータを福浦小学校に行かせようと画策するが、一度決まった代表は変えられないとカンザブローから断られる。

4人で示し合わせての仮病作戦も失敗に終わり、最後の手段としてマンガンキーを使うことに。

ガンモ「アバクラタラリン・クラクラマカシン、リョータが代表になりますように!」

mahougumi1438
その結果、ハテナマンは寒気と高熱が同時に襲ってくるという原因不明の奇病にかかり代表を辞退することに。
この顔、どうみてもキカイダーのオマージュである(笑)

mahougumi1439
ちなみに、慌てふためく校医を演じるのは田島義文。
特撮ファンにとってはウルトラQの関デスク役が有名だろう。

mahougumi1440
マンガンキーのおかげで無事に代表がハテナマンからリョータになり、笑顔でリョータを送り出す魔法組の面々。

mahougumi1441
最後、子供のいたずらで水を被るという取って付けたようなマンガンキーのしっぺ返しで幕。

うーん・・・「一生一代の大ピンチ」の回でもそうだったが、取って付けたようなしっぺ返しは作品の質を落とすので、こういう描写はしない方がいいなあ。

というわけで、所々に面白い要素はあるものの、肝心の脚本が残念な出来のエピソードであった。

mahougumi1442
次回はいよいよ皆様お待ちかねの「ミコちゃんの自転車騒動!」をレビュー予定。乞うご期待!

<<本ブログにおけるキャプチャー画像の著作権は東映に所属します>>