全怪獣怪人大百科ブログ

特撮レビューブログです。 ケイブンシャの「全怪獣怪人大百科」のように、マイナー作品にもスポットを当てながら、70~80年代の作品を中心にレビューしていきます。コメントは大歓迎なので、お気軽にご意見・ご感想をお聞かせ下さい。

2019年04月

「5年3組魔法組」感想 第11話「姉さん お嫁にいかないで!」

第11話「姉さん お嫁にいかないで!」(1977年2月21日)

今回はチクワ主演回である。以前にも触れたようにチクワ主演回というのは、どういうわけか駄作・凡作が多いのだが、本話については名編「大好き!泣き虫先生」を手がけた田村多津夫氏が脚本だけあって、チクワ主演回の中では非常によく出来たストーリーである。
また、本作品では初登板となる長石多可男氏が監督を務め、非常に印象的なカットをいくつも残し、作品の完成度を高めていると言えるだろう。

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さて、冒頭から走るチクワ(江村和紀)。体育の授業にもかかわらず体操着を忘れてしまったのだ。バンノーダーで取り寄せようと必死に(MJバッグを持っている)ハテナマンを探すが見つからない。
ここで貴重なショースケ(神アコ)のブルマ姿が拝める。その手の趣味の人にはたまらない映像であろう。

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そして、これまた貴重なミコ(尾崎ますみ)のブルマ姿。しかもショースケがショーツ型ブルマなのに対し、時代を感じさせるちょうちんブルマである。

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結局、授業に間に合わず校庭に正座するチクワ。

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そこへリンイチのお姉さんの理恵が体操着を届けに学校にやってくる。演じるのは野川愛。美人である。忍者キャプターの花忍役が有名かな。

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「姉さんか、美人だなぁ。素敵な姉さんじゃないか。ウハハハハハ」と下品に笑うカンザブロー(園田裕久)。

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ここで改めてチクワの家族が紹介される。
「優しいお姉さん」。

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「ちょっぴりうるさいお母さん(浜田ゆう子)」。

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「そして、僕のお父さん(福岡正剛)。会社の社長で市会議員だ」。

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教育パパに、しつけにうるさいママという家庭環境に窮屈な思いをしているチクワ。
そんな中、優しい姉の存在がチクワには大きな救いなのであった。

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そしてサブタイトルからわかる通り、今回はチクワのお姉さんがお嫁にいくかも?!という話なのである。

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その夜、チクワは、両親が理恵に縁談の話を持ちかけていることを偶然耳にしてしまう。

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「姉さんが、結婚・・・」

大好きな姉さんが結婚してしまうというショックで妄想モード全開に!

「姉さんがいなくなるなんてイヤだ!」

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翌日、学校の屋上で遊んでいる魔法組5人。
明らかに元気がないチクワを見てガンモ(すのうち滋之)が声をかける。

ガンモ「チクワ!どうしたんだ。元気ねえな」
チクワ「ねえ、お願いだからさ、何にも聞かないで魔女バッグ貸してよ」
ハテナマン「そりゃあ無理だよ」
チクワ「ね、お願いだからさ!」
ガンモ「一体、何があったんだよ!」

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ショースケ「多数決で決める約束でしょ!何に使うかわからないんじゃ、決の取りようがないじゃない!」

縄跳びでピョンピョンと上下に跳ねながら喋られると、ショースケの胸の揺れが気になって仕方ないんだが・・・(笑)

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チクワ「それはわかってるんだけどさ。な、一生のお願いだからさ!」
ミコ「どうして言えないの?理由さえ話してくれれば私達だって」
ハテナマン「そうだよ!話してくれよ!」
ガンモ「チクワ!それでも友達かよ!何でも話してくれればいいじゃないか」

黙り込むチクワ。

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ガンモ「そうかよ、わかったよ。もう友達でも何でもないんだな!」

そこまで言われてようやく思い口を開くチクワ。

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チクワ「実は、姉さんがいなくなっちゃうんだ」
ミコ「いなくなっちゃうって?」
チクワ「結婚するんだよ」
ガンモ「姉さん、結婚するのか!なんだよ、素敵な話じゃねえか」
ハテナマン「ところが、素敵なことじゃないみたいだな」
ショースケ「そのようね」
ミコ「チクワ、姉さんの結婚に、反対なのね?」
チクワ「うん・・・」

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結婚相手がどんな人かをチクワに問う魔法組の面々。
その後ろを走行する都電が非常に印象的なカットである。

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しかし当のチクワは相手の名前も顔も知らないことがわかり4人は驚き呆れる。

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その結果、姉さんの結婚をやめさせるかどうか、相手の人がどんな人か確かめてからにしよう、という結論に落ち着く。

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そしてバンノーダーで姉さんの縁談相手の写真を取り寄せる。
この時、「ちょっと見せてー!」とすごい勢いで駆けてきてミーハーな感じに写真を覗き込むミコが、お年頃な感じがしてすごく可愛いのである。

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そして縁談相手の写真がこの人。
そう、特撮ファンであればすぐにピンとくるであろう谷岡弘規である(この当時は旧芸名の谷岡行二)。この数年後に「バトルフィーバーJ」で主役のバトルジャパンを演じることになる。

ミコ「へー、感じの良い人じゃない」
ショースケ「そうね」
ガンモ「どれどれ、へー、結構ハンサムじゃねえか」
チクワ「顔だけじゃわからないよ」

そしてハテナマン(増田康好)が見つけた身上書から名前が久保田ススム、そして住所も判明し、みんなで彼のマンションに行ってみることに。幸か不幸か久保田は留守だったが、そこが立派なマンションだったことから月給も高いんじゃないかと推測する。

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ここで場面転換として挿入される夕焼け空のカットが印象的だ。

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その帰り道、魔法組5人はおでん屋の屋台にいるカンザブローを目撃する。そしてその隣りでカンザブローと話していたのが、姉さんの縁談相手の久保田だった!
あの二人、どういう関係なんだろうと遠巻きに眺める魔法組であった。

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翌日、学校で昨夜のことをカンザブローに聞いてみると、久保田はカンザブローの後輩で、昨夜は久保田からの相談で会っていたということだった。そしてチクワのお姉さんが結婚相手ということも知ったようであった。

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チクワはカンザブローに久保田がどういう人なのかを聞いてみる。

カンザブロー「久保田は良い奴だよ。学生時代からよく知っているが、あんな良い奴はいない。先輩のわしが保証する」

そう言われて考え込むチクワ。

カンザブロー「奴なら、姉さんを幸せにする!安心しろ!」

思い詰めたチクワは「先生、結婚って、どういうことですか?」と疑問をぶつける。

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カンザブロー「それは、難しい問題じゃなあ。わかりやすく言うとだな、人間は誰でもそうなんじゃが、幸せを求めて生きているものなんじゃ。気の合った者同士が一緒に暮らし、立派な家庭を築き、幸せを求めて分かち合い、人間らしゅう生きていく。それの第一歩が結婚なんじゃ。わかるか?」

「はあ」と曖昧に頷くチクワ。

カンザブロー「心配ない!奴ならお前の姉さんを幸せに出来る!」


こんなふうに先生が生徒たちを大人の立場として諭すという、いかにも学園ドラマ的な構図は高牧先生の頃には見られなかった。先生がカンザブローに交代したことで、このような変化が生まれるようになったわけである。この作風の変化には賛否両論あるかも知れないが、ドラマに厚みが感じられるようになり、こうしたやり取りを通して各キャラクターの掘り下げが進んだことも考えると、管理人の見解としては大成功だったと思っている。

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ただ、久保田は結婚をするかどうかで迷っているのだという。エンジニアとしてまだ未熟だから結婚はまだ早いと考えているのだという。
カンザブローは「眼の前に幸せがぶら下がっているというのに」と久保田の迷いを遠回しになじる。

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チクワ「幸せかあ。姉さんが幸せに」

カンザブローから何度も「幸せ」という言葉を繰り返され、改めて姉さんにとっての幸せについて考えるチクワであった。

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場面変わって・・・ガソリンスタンドに停車していた久保田の車の前に仁王立ちし、正面から久保田を見つめるチクワ。
ここで、「はしだのりひことクライマックス」の大ヒット曲「花嫁」のインストゥルメンタルが流れる。当時の視聴者からすると数年前のヒット曲なのですぐにピンとくることだろう。今の若い人は知らんだろうが。

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真剣な顔のチクワ。

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運転席の久保田、サングラスを外してチクワを見つめ、笑顔を見せる。

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思わずチクワも笑顔になりかける。そして何かを決意したかのように走り出す。
そして立ち止まり、笑顔で空を見上げる。ここで「花嫁」のインストゥルメンタルがサビに入るのだが、ドラムの音がチクワの心情を体現しているようで実に効果的である。

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そしてまた印象的な夕焼け空のカット。

チクワ「あの人なら大丈夫!姉さんに幸せになってもらわなきゃ!」

ここで初めてチクワは自分だけの気持ちではなく、姉さんの幸せを願うという気持ちに心情が変化するのである。

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夕陽を浴びて走る都電に久保田と理恵の笑顔が重なり、とても美しい映像に仕上がっている。

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日曜日、久保田は竹田家を訪れ、理恵を連れて車でデートに向かう。

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そして、そのデートを上空よりマジッカーで追跡する魔法組5人。

チクワ「姉さんと結婚しないなんてとんでもない。姉さんには幸せになってもらわなきゃ。どうしても結婚してもらうよ」

一転して「結婚させる」ことになったチクワ。そんなチクワに魔法組のみんなも同意する。

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二人が向かったのは横浜ドリームランド。遊園地である。
現在は経営悪化のため閉園して跡地になってしまっているので、この回はある意味で貴重な映像資料と言えるだろう。

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二人のデートの様子をアトラクションの物陰からこっそり観察する5人。

ミコ「ロマンチックじゃないわねえ」
ショースケ「デートって感じじゃないわ」
ハテナマン「そうみたいだね」
ガンモ「ちぇえ、せっかく期待してたのになぁ」

小学5年生にデートを論評されるというのも何だか面白い。

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二人は別のアトラクションに移るが、やはりデートとは違う雰囲気である。

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ハテナマン「やっぱりカンザブローが言ってたように、まだ結婚する気はないのかなあ」
チクワ「魔法で、姉さんを幸せにするんだ!」
ハテナマン「よし!その意気だ!」

魔法組の会話を聞いていたMJくんは感心する。

MJ「いやあ、良い話だねえ。お姉さんを結婚させようと、一生懸命になるなんてねえ」

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ここでチクワはマンガンキーを使うことにする。

チクワ「アバクラタラリン、クラクラマカシン、久保田さんが姉さんと結婚したくなるような、素晴らしい夢の世界に二人を連れて行っておくれ!」

ここで直接的に「二人を結婚させておくれ」と言わないところがこの物語のポイントなのである。

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マンガンキーの力で、二人は王子様とお姫様になって夢の国へ。

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そこへベルバラ(曽我町子)が現れ「結婚させてたまるか!怖い夢の世界になれ~」と魔法をかけてしまう。その結果、雷鳴が轟き、怪物の襲ってくる怖い夢の世界に。
この辺りの演技、バトルジャパンと花忍(忍者キャプター)そのものである^^;

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デートが終わって、二人は考えていたことを打ち明ける。

久保田「僕は、エンジニアとしてはまだ一人前じゃない」
理恵「私、今、料理学校に通っていますけれど、これはただ、奥さんになるためだけじゃないんです」
久保田「僕ももっと勉強したい。外国へも行きたい。まだ、結婚はできません」
理恵「実は私も、料理の勉強をずっと続けていくつもりです。もちろん父や母を喜ばせるためなら結婚しても、そう思う気持ちもありましたけれど。でも私、結婚はまだ早すぎるんです」

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理恵「私、何だか夢を見ていたような気がします。本当のことを打ち明けてすっきりしましたわ。今日のデート、とっても楽しかったです」
久保田「実は、僕も同じようなことを考えてました」
理恵「じゃ、ここで」
久保田「いや、お送りしますよ」
理恵「いいえ、本当にここで失礼します」
久保田「そうですか」
理恵「ええ、またいつかお会いできるまで、さよなら!」
久保田「さよなら!」

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「さよならー!」と、二人は笑顔で縁談を先送りにして別れるのである。

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その様子を見守っていた5人。

ショースケ「二人とも結婚するつもりはないみたいね」
ミコ「けど、マンガンキーは願いを叶えてくれないのかしら」
ハテナマン「はてな?これがしっぺ返しかなあ」
ガンモ「どうすんだよチクワ!」
チクワ「どうするって、姉さんからさよならって言ったんだからさ」

そう言って俯くチクワ。

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場面変わって。

「よかった!姉さんお嫁にいかなくて!」と満面の笑みのチクワ。

これでは何も成長していないのでは?と思いきや・・・

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チクワ「姉さんはいつかお嫁に行く。それまでに僕も、もう少ししっかりしなきゃ」

そうチクワに決意させることで、今後の成長を期待させつつ、きれいに幕を閉じる。


いやあ、予想以上に長いレビューだった。「泣き虫先生」の回をレビューした時にも感じたが、田村多津夫氏の脚本はとにかく密度が濃い!(褒め言葉)。先生がカンザブローになったことで更に拍車がかかったと言えるだろう。
また、田村氏の脚本はテーマ性が強く、管理人的には、実はメインライターの辻真先氏の脚本よりも好みだったりする。

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おまけ。
ちなみに本話よりOPの映像に森本先生(園田裕久)のカットが追加されている。

<<本ブログにおけるキャプチャー画像の著作権は東映に所属します>>

「5年3組魔法組」感想 第10話「迷子になったキューピー人形」

第10話「迷子になったキューピー人形」(1977年2月14日)

高牧先生(団しん也)の退場回である。しかし、最後の出演というわりにその扱いは非常に淋しい。

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冒頭、朝礼において高牧先生の退任の挨拶があるのだが、泣いているのは高牧先生だけ。

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後任は森本先生と発表があり、拍手で迎えようとする魔法組だが・・・

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高牧先生があまりに泣きまくるため、気の毒になり思わず拍手の手をおろしてしまう。

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その後も高牧先生のひたすら湿っぽい挨拶は続き、その嗚咽がスピーカーを通じて校庭中に響き渡る。

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そしてこのサブタイトルである。
最後だと言うのに高牧先生の名前はかすってもいない(笑)

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サブタイトル後、いきなり魔法組5人が神社でお参りしているシーンから始まる。
初詣?、かと思ったが、放送日は2月14日なので当時の視聴者からすると違和感を感じるところだろう。これは推測だが、おそらく本話の撮影が行なわれた時期がちょうどお正月頃だったのではないだろうか。
その後、高牧先生の下宿に行って、引っ越しの荷造りの手伝いに行こうと話がまとまるが・・・

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「どうして転勤なんかあるのかなあ・・・ちくしょう!」と、ハテナマン(増田康好)が、やけ気味にバットで打ったボールが遠くへ飛んでいってしまい・・・

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よりにもよって、おっかねえ婆さんと呼ばれる戸倉かね(武智豊子)さんの家の窓ガラスを割ってしまう。「しまったあ!」と言っても後の祭り。

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謝りに行くことになったハテナマンだが、窓ガラスを割った罰として、おっかねえ婆さんの家の障子の貼り替えをさせられる。

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さらにおっかねえ婆さんは様子を見に来た残り4人も捕まえて家の手伝いを命じる。

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ショースケ(神アコ)は炊事。

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ミコ(尾崎ますみ)はアイロン掛け。

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子供たちの悪戦苦闘を横目に、おっかねえ婆さんはキューピーと戯れる。

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チクワ(江村和紀)は庭掃除。

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ガンモ(すのうち滋之)は洗濯・・・といった具合である。

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ようやく解放された魔法組5人。

ショースケ「もうこの時間じゃ先生の荷造り済んじゃったわね」
ハテナマン「仕方ないや、トラックの出る時間に合わせて、送りに行こう」
ミコ「肩が痛いわ。おばあさん一人なのに、あんなに洗濯物ためるなんて」
チクワ「昔は家族がいたんだろ」
ハテナマン「息子がアメリカへ転勤したんだって。外国へ行くのはいやだって、おっかねえ婆さんだけ残ったのさ」
ガンモ「あんなばあさんが行ったら国際問題になるよ!」

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「魔法で仕返ししたら?」
そこに突如現れたベルバラ(曽我町子)が子供たちをけしかける。

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ショースケ「みんなダメよ、その手に乗ったら!」
ベルバラ「おやどうしてさ、そんな時のために魔女バッグがあるんじゃないのさ!」

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ミコ「イヤよ、この頃うまくいったためしがないんだもん、フン!」

「フン」って漫画的というか演劇的表現を実際にやるミコが面白い。

チクワ「そう、やったと思えばしっぺ返し!」
ハテナマン「幸せの隣りは不幸せだからね!」
ベルバラ「それは私のセリフでしょ!」
ショースケ「とにかく、魔法を使うのはお断り!」
ベルバラ「まあ、なんてだらしがないんでしょうねえ」
ガンモ「そんなに使ってほしかったら、ほら!」
ベルバラ「なんだいこの手は?」
ガンモ「見物代、ちょうだい」

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魔法組5人が口々に「ちょうだい!」「ちょうだい!」とベルベラに手を差し出す。

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ベルバラは「いい加減におし!」と怒って去ってしまう。
ベルバラを追い払って大喜びの魔法組の面々。

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そこへユタカ(福田信義)とルリ子(遠藤美絵)がハテナマンを訪ねてやってくる。
ルリ子がキューピー人形を失くしてしまったので魔法で見つけてほしいというのだ。

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ハテナマンはバンノーダーで呼び寄せることに。
「アバクラタラリン、クラクラマカシン、ルリ子のキューピー飛んで来い!」

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無事、ルリ子のキューピー人形を取り寄せることが出来て一件落着と思いきや・・・

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ルリ子という名前だけで呼び寄せたために、日本中のルリ子のキューピーを呼び寄せてしまうことに!
ただ、同名の女の子のキューピーならわかるが、店頭や叩き売り(キューピーの叩き売り!?)にある「ルリコのキューピー」というのが、全くもって意味不明である。
「ルリコ」と「キューピー」の関連付けがあまりにも強引すぎる。この辺りはノリと勢いで書いた脚本って感じだ。

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そして増え続けるキューピー人形・・・

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「あとはもう知らないっと!行こう!」
収拾がつかなくなった状況を見てユタカとルリ子は真っ先に逃げ出す。
ちなみに手前にある物体は、ハテナマンを押し倒した巨大キューピーの頭である。

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5人はそれぞれが魔法道具を使ってキューピーを元の場所に戻すことに。

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どうにかキューピー人形を元の場所に戻して集合した魔法組。しかし、届け先がわからないキューピーが一つだけ残ってしまった。そしてキューピー人形に付いていた名札から、よりによっておっかねえ婆さんのキューピー人形であることが判明する!

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メタモライトで犬に変身したガンモはおっかねえ婆さんの家を偵察。
そこでアメリカに行った孫娘の名前がるりこであり、とても会いたがっていること、そしてるりこの使っていたおもちゃを大切に保管していたことを知る。

おもちゃ箱から一つ一つおもちゃを出して、孫娘の写真に見せてあげるおっかねえ婆さん。その過程でキューピー人形がないことに気が付いてしまう。

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泣きそうな顔してキューピーを探しているおっかねえ婆さんの話をガンモから聞かされ、みんなはすぐに返してあげようとするが、今度怒られて家の手伝いをさせられては、それこそ高牧先生の見送りに間に合わなくなるんじゃないかと考え込んでしまう。

その時、ミコが「誰かがおばあさんの孫になってキューピーを持っていき、その後ドロンして逃げ出す」というアイデアを思いつく。

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ハテナマンは「よし!善は急げだ!」とメタモライトで変身する。ところが、小さな女の子かと思いきや、るりこは成人した女性だったことに驚く5人。

ちなみに戸倉るりこを演じるのは日高久美子。後年「電子戦隊デンジマン」において婦人警官役で出演することになる。

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そこへタイミング悪く(キューピーを探しまわっていた)おっかねえ婆さんが来て、ハテナマンが変身したるりこを見つけてしまう。
急遽、シナリオを変更して、まずキューピー人形を渡し「るりこが今、アメリカから帰ってきた」という芝居を打つことに。

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(るりこの姿の)ハテナマンがおっかねえ婆さんの家に連れていかれるという展開に呆然とする4人。

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とりあえず魔法でどうにかしようとおっかねえ婆さんの家に向かう4人だが、その途中でカンザブロー(園田裕久)に呼び止められる。高牧先生の出発予定が早まったのですぐに下宿に行ってやれと言われる。「さあ行こう!」とカンザブローに先導され、ハテナマンは置いてきぼりになってしまう。

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おっかねえ婆さんにぎこちない演技で対応するハテナマン。
そこへ本物のるりこから国際電話がかかってくる。

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不審に思ったおっかねえ婆さんが部屋を見渡すと(ハテナマンの変身した)るりこの姿が消えていた。おっかねえ婆さんは、るりこに会いたい一心で夢を見ていたんだと納得する。

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高牧先生の下宿前。

カンザブロー「あとはわしが引き受けた。安心してくれ!」
高牧先生「宜しくお願いします」
ショースケ「先生さようなら」
ガンモ「元気でね」
ミコ「先生!」
チクワ「さようなら」
高牧先生「お前らも、しっかりやれよ!」
4人「はい!」

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そして見送るみんな。

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ようやく合流できたハテナマンだが見送りには間に合わなかった。
そこで見送りのやり直しをしよう!とマジッカーで追いかけることに。

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「俺はあくまで魔法を信じない。だが、見送りに来てくれたお前たちの気持ちは信じるぞ」
そう言ってうれしそうに手を振る高牧先生。

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というわけで高牧先生最後の出演回であったが、高牧先生の出番は冒頭とラストだけという何とも淋しいものであった。
最後のセリフが印象的ではあったが、それならもう少し生徒との交流を描いてほしかったところだろう。この点を反省してか、後任の森本先生(カンザブロー)は積極的に生徒と絡んでいくことになる。

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「5年3組魔法組」感想 第9話「おっかない!カンザブロー先生」

第9話「おっかない!カンザブロー先生」(1977年2月7日)

レギュラーとなる森本先生の登場編である。同時に高牧先生の退場編でもあるのだが、その扱いは非常に淋しいというか、かなり唐突な印象を受ける。

物語はユタカ(福田信義)が登校前に給食の献立表を見て、苦手なトマトがあることで憂鬱になる場面からスタート。

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「トマト」だけ色が塗ってあり、日付に赤い✕の字。よほど嫌いなのだろう。

個人的には17日の「肉まん、あんまん、牛乳、ぶた汁、くだもの」という無茶苦茶な献立が非常に気になる(笑)
そう言えばこの時代はまだ給食にご飯(米の飯)が出なかったんだよね。

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そしてお父さん(奥村公延)との会話から、ユタカのクラスの担任が産休になり、新しい先生が転任してくることが語られる。ちなみにここで「産休」と「Thank you」をかけたベタなギャグが挿入される^^;

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場面変わってユタカのクラス。
本話からレギュラーとなる森本三郎先生(園田裕久)の登場である。
高牧先生と比べて、生徒にも積極的に関わっていくキャラクターで、本作の作風にも変化が見られるようになる。

厳しいながらも一貫して生徒思いの教師であり、ユーモラスな一面もあるという、なかなか難しい役柄であるが、園田氏はそれに十二分に応えるだけの演技力を持った役者さんであると言えるだろう。

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この森本先生、かなり喜怒哀楽というか表情豊かな先生である。
前の担任の近藤先生の方が良かったと、ユタカを中心に「先生じゃないもん」コールの大合唱が始まったら「うるさい!」と一喝し、「先生に向かって何だお前たちは!」と説教モード。これが高牧先生であれば生徒に騒がれてオロオロするのであろうが、森本先生は怒る時はしっかり怒るのである。

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「1年1組の先生は、森本三郎だ!わかったか!」とユタカの頭を軽く押さえつけたところでサブタイトル。

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「わかった者は、手を挙げろ」
と言ってみんなが手を挙げるとニコニコした顔になり、

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「よっしゃ!一時間目は校庭に出てみんなと一緒に遊ぼう!」と言うとクラス中が大喜び。
このあたり、さすがにベテランの教師だけあって生徒の心を掴むのが抜群に上手い。

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校庭で生徒たちとドッジボールをする森本先生。
ユタカにボールをぶつけられてこんなお茶目な顔もする。とにかく表情豊かなのだ。

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場面変わって5年3組。
掃除の時間に魔法組たちが森本先生のことを話題にしている。

ガンモ「森本先生か、面白そうな先生じゃねえか」
ミコ「でも、すぐに怒る先生、私は嫌いだわ」
チクワ「ネチネチ説教されるより、さっぱりしてていいよ」
ガンモ「そうだよ、男らしいよ!」

そこへショースケ(神アコ)が教室に入ってくる

ショースケ「ねえみんな、早速あだ名が付いたそうよ」
ガンモ「何て?」
ショースケ「カンザブロー」
ガンモ「あ~、名前が三郎だから」
ハテナマン「けど、カンザブローって言うのは?」
ショースケ「カラスのカンザブローだって」
ハテナマン「カラス?!はてな、どうしてカラスなんだろうなあ」
ショースケ「いま怒ったカラスが、もう笑っただって」
ミコ「あら、それは今泣いたカラスがって言うんでしょ」
チクワ「そうだよねえ、確か」
ガンモ「一年生だから知らないんだよ」
ハテナマン「いま怒ったカラスが、もう笑った。それでカンザブローか。なるほど、うまいあだ名を付けたもんだ!」

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放課後。下校しようとした魔法組の面々。
そこにユタカのクラスの生徒がやってきて「カンザブローがね、ユタカ君をお地蔵さんにしちゃったの」とショースケに告げる。
状況が全く掴めないが、ガンモ(すのうち滋之)の「行ってみようぜ」の一声で、とりあえずユタカのクラスに行ってみる魔法組。

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そこにいたのはお地蔵さん・・・

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ではなく、トマトとトマトジュースを持って立たされていたユタカであった。
トマトが嫌いなユタカは、給食のトマトとトマトジュースを持たされた状態で立たされていたのだ。

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ユタカを助けようと考えたガンモはバンノーダーでトマトジュースの中身を呼び寄せる。
派手にぶちまけてるけど・・・

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続いてトマトもバンノーダーで取り寄せる。
これでトマトもトマトジュースも完食したように見せかけたのだが・・・

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得意気に空っぽの瓶を見せるユタカに対して森本先生は激怒する。
「先生は何も嫌いなものを無理にでも食べろと言ってやしない!好き嫌いは段々に直していけばいいんだ!お前を立たせたのは、食べたように誤魔化そうとしたからだ、そうだろう?!そんないっぺんに押し込むようなことするな!この馬鹿者があ!!」と、全くの逆効果であった。

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その夜、夕飯をすごい勢いでがっつくユタカ。給食を残したのでお腹が空いていたのだ。

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「ユタカおかしかったんだから」
「お地蔵さんそっくり」
と今日の顛末をお父さんに話し、ご丁寧にお地蔵さんの真似までしてみせる。お父さん大笑い、ユタカは大むくれで、更にがっつく。いや、それにしてもショースケの笑顔は可愛い。

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翌朝、昨夜の暴飲暴食が祟り、腹痛を訴えるユタカ。

ショースケ「昨日、馬鹿みたいに食べるからよ」

お父さんは「休むか?」と訊くが、結局は登校することに。

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そこへトラブルメーカーのベルバラ(曽我町子)がユタカの同級生のお母さんに変装(変身?)してユタカ達のお父さんの前に現れ、カンザブローが給食を残したユタカを教室に立たせ、その上、嫌いなものを無理やり口に押し込んだという話をデッチ上げる。

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「もし体の具合でも悪くなったら、どうするつもりだったのかしら。ユタカ君、お腹を痛くいたしませんでした?」と、けしかけるベルバラ。
それを聞いたお父さんも「そうだったのか!くそう先公め!」と頭に血が上り、まさにベルベラの思うつぼ。
「子供たちが可哀想です。私に任せておいて下さい!これからすぐ学校へ行ってきます!」と言って学校へ突撃をかけるお父さん。

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イタズラ大成功で大喜びのベルベラ。
ただ、これはイタズラというにはちょっと度が過ぎていて洒落にならないレベルである。

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学校で魔法組が集まっているとハテナマン(増田康好)が飛び込んで来る。

ハテナマン「大変だー!ショースケのお父さんが怒鳴り込んで来たんだよ」
ショースケ「えー!父ちゃんが!」
ハテナマン「今、校長室でカンザブローと対決してるよ!」

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対決中(笑)、もとい睨み合ってる二人。

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高牧先生(団しん也)が間に入ってオロオロしながら仲裁しようとするが、二人ともヒートアップして全くおさまる気配すらない。
ちなみにここでの高牧先生のセリフから、カンザブローは高牧先生が学生時代の先輩であったことがわかる。

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ここで再びベルバラ登場。
口論する二人の間に現れ(透明なので二人には見えない)、魔法でちまちまとイタズラを繰り広げ、二人の会話をますますこじらせていく。

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校長室を覗いていた魔法組はベルベラの存在に気付き、まずは一刻も早くベルバラを引き離そうと思案する。

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バンノーダーで「ベルバラよ来い!」とベルバラ自身を取り寄せるという、直球な荒業を披露するハテナマン。

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するとバンノーダーの力で校長室の外に引っ張り出されるベルバラ。運悪く校長室の外にいた高牧先生と激突して二人は倒れて気絶してしまう。倒れた高牧先生のまわりに集まる魔法組。
この騒ぎに乗じてユタカが校長室に入っていく。

ちなみに倒れて気絶しているベルバラを全員が無視して放置しているのが地味に酷い(笑)

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ユタカが入り込んで父を説得し、腹痛の原因がカンザブローではなく自分の食べ過ぎだったことがわかり誤解が解ける。

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さらに森本先生を慕っていることもユタカの口から語られ、感激して男泣きするカンザブロー。丸く収まりめでたしめでたし。

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和解の象徴として描かれる「相手のタバコに火をつける」というのは、ちょっと時代を感じるところである。

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場面変わって、初登場の校長先生(大泉滉)が、高牧先生に唐突に沖島の分校への転任を命じる。

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実質的な左遷人事にあからさまに落ち込む高牧先生。

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転勤が決まった高牧先生は独りでおでんの屋台で泣きながら呑んだくれる。
子供向け番組でこんなシーン流すなよ(笑)

高牧先生が「ガンモ、チクワ・・・」と生徒の名前を口にすると、おでん屋のおやじが「へい!」「へい!」とガンモとチクワをお皿に盛るのが笑える。

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その晩、意気投合したカンザブローとショースケのお父さんは小原家で呑むことに。本当は高牧先生も来るはずだったらしいが高牧先生は独りおでん屋で呑んだくれていたのである・・・

小原家に集合する魔法組。現代の感覚ではガンモがバカでかい懐中電灯を持っていることに違和感を感じるかも知れないが、実際この当時、東京の住宅街の夜は本当に暗かったのだ。
この頃は畑も多かったし、コンビニもなかったし、個人商店は夕方には閉店してたからね。

ショースケ曰く、カンザブローとお父さんは「気が合っちゃって大変」なんだそうだ。まさに雨降って地固まるである。

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酔いつぶれたお父さんと、得意の芸を披露するカンザブロー。

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それを見て喜ぶ魔法組のみんな。

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魔法組5人を連れて帰途につくカンザブローだが、途中で酔いつぶれて倒れてしまう。ミコ(尾崎ますみ)は、そんなカンザブローを見て「赤ちゃんみたい」と笑うが、こんなところを人に見られたら学校にいられなくなるんじゃないかと心配する魔法組の面々。そしてマジッカーで先生のアパートに送り届けることに決まる。

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途中で目が醒めて、空を飛んでることに気が付き大騒ぎするが、また寝ぼけて倒れ込んでしまう。

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翌朝、学校の屋上でカンザブロー先生に、昨日どうやって帰ったかを尋ねるユタカ。
「空を飛んで帰った」と答え、後ろで隠れていた魔法組たちも驚くが「素敵な夢だったぞ」と夢として処理されたことがわかりホッとするみんな。最後はみんなで朝の体操をしたところでさわやかに幕。

これからレギュラーとして登場するカンザブローの紹介編としてはよく出来たエピソードであったが、取って付けたように捩じ込められた高牧先生転勤のエピソードには違和感を感じてしまう。おそらくは当時、大人の事情があったのだろう。

ただ、高牧先生がカンザブローに交代したことで、作風も明るくなりテンポも良くなったと言えるので、作品としての判断は正しかったと言えるだろう。

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おまけ。
次回予告の一コマ。
ショースケのキュートなお尻^^;

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カモノハシ

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ケイブンシャの「全怪獣怪人大百科」のように、マイナー作品にもスポットを当てながら、70~80年代の作品を中心にレビューしていきます。

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